新AlpineF#1Statusの開発にあたっての最大のテーマは、最高レベルのオーディオフォーマットであるDVD-Audioへの対応でした。この挑戦が、オーディオエンジニアとしての私のチャレンジ精神を大いにかきたてたのは、言うまでもありません。
しかし、新AlpineF#1Statusシステムの中枢を担うべきマルチメディアマネージャーには、車室内最高の音の実現と同時に、機能面においてもDVDやCD、CD-Rなどへのメディア対応力、DVD-Audio対応だけでなく、DVD-VideoのドルビーデジタルEXやdts-ES、またMP3などの最新デジタル音声技術への対応も同時に要求されました。音質、機能の両面で、最高次元の性能が求められたわけです。当然、処理するデータの量もスピードも前モデルとは、比較にならないレベルになるわけです。これは、かつてないほど高いハードルでした。
最高の音質と機能を目指すとなれば、必然的にテキサスインスツルメント製のフローティング演算DSPやバーブラウン社製の192kHz/24ビットのKランクDACなど、厳選した最新・最高レベルのデバイスのみを使用する事になります。これはもう、前作の改良レベルでは無くて、新たに新世代のシステムを創造するという事ですから大変です。その結果、先代モデルと比較して大幅にコンパクト化した新マルチメディアマネージャーPXI-H990には、最新、最高のデジタル処理技術が凝縮しているのです。
最高の性能を達成する為には、ただ最新で高額の高性能デバイスを投入すればいいというわけではありません。機能を実行させたり、様々な演算を統合し制御していくデータ処理が膨大である為、そのコントロールのためのプログラムがきわめて重要になってくるのです。例えばシステムコントロールに関わるコア部分のDSPやマイコンに関してだけでも、20数名が開発に携わりました。それでもプログラム開発が進むと、予想もつかない問題が発生しました。
マルチメディアマネージャー単体だけではなく、システム開発としての難しさも存在します。例えば、新AlpineF#1Statusシステムを構成するユニットの最初のシステム確認では、DVDヘッドユニットDVI-9990と接続してDVD-Audioの音を聴く事はまだ出来ませんでした。各ユニット間での気の遠くなるようなシステムデバッグは、ここから始まったのです。
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