Road EQの開発で思い知ったのは、なんて人間の脳や耳とは鋭敏であり、またとてつもなく複雑な処理を、しかも瞬時に行なっていることだろう、ということでした。このプロセスを機械でシミュレートさせるために、当初は商品には搭載できないくらい高コストになってしまいました。開発の苦労といえば、ひとつはコストを下げていかに製品に組み込むかでしたね。そのため特許は30件以上にもなりました。また、Road EQの反応が向上する事で、横を通るトラックや救急車のサイレン、車内での会話にも補正がかかると音楽が不自然になってしまうと言う問題が発生しました。「これはサイレンだから反応しなくていい」というような認識パターンも組み込んで、より自然な再生を実現しています。
つまり、Road EQは、ノイズについてそれがどんなものか、その場合はどんな補正をしたらよく聴こえるようになるか。人間が意識せずに行なっていることを、限りなく機械で行なうようにした、いわば考える耳をもっているといえるでしょう。
これだけロードノイズと車室内音響について深く追求した研究、そして機能は、おそらく自動車メーカー、音響メーカーにないはずです。新AlpineF#1Statusに搭載できたことは、技術者としての誇りであり、また音質的にも十分に満足いただけるものと自負しています。実際、エンジニア仲間からも、Road EQを一度ONしたら、もうOFFでは聴けないね、という評価をもらっています。ぜひ、一人でも多くの方々に、ロードノイズの影響から解放されたカーオーディオの世界を体験していただきたいと思っています。 |